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RFP(提案依頼書)とは?システム開発での書き方とテンプレート項目

公開 2026/7/14

提案依頼書(RFP)を作成するイメージ

システム開発を複数社に相談するとき、「RFP(提案依頼書)を用意しましょう」と言われることがあります。RFPとは、開発会社に提案・見積もりを依頼するための書類です。とはいえ、初めて発注する側にとっては「何をどこまで書けばいいのか」がわからず、身構えてしまう言葉でもあります。この記事では、RFPとは何か、なぜ必要なのか、何を書けばいいのか、書き方のコツと落とし穴、そして「RFPを作らずに進める現実的なやり方」まで、初心者向けにまとめて解説します。

RFP(提案依頼書)とは

RFPとは “Request For Proposal”(提案依頼書)の略で、「こういうものを作ってほしい」を開発会社に伝え、提案を依頼する書類です。発注側が自分の要望を1つの文書にまとめ、それを複数の開発会社に渡す。各社はそれを読んで「うちならこう作ります」「費用はこれくらいです」という提案書と見積もりを返してくる——この最初のキャッチボールに使う書類がRFPです。

なぜRFPが必要なのか

RFPがない状態で複数社に相談すると、各社に口頭やメールでバラバラに要望を伝えることになります。すると、A社には「予約システムがほしい」、B社には「予約とあわせて顧客管理も」と、伝える内容がその場の会話で微妙にズレていきます。結果、返ってくる提案の前提がそろわず、金額も機能もバラバラで比較できないという状態に陥りがちです。

RFPの役割は、この「前提をそろえる」ことにあります。同じ1枚の依頼書を全社に渡せば、各社は同じ条件で提案を組み立てるため、相見積もりを横並びで比較できるようになります。RFPの本質は立派な仕様書を作ることではなく、「各社に同じスタートラインを与える」ことだと理解しておくと迷いません。

  • 前提がそろう:全社が同じ目的・課題・予算をもとに提案する
  • 比較できる:機能や金額の差が「各社の実力差」として見える
  • 伝え漏れが減る:口頭だと抜ける要望を、文書なら一度で全社に届けられる
  • 社内の合意にも使える:上司や関係部署に「何を作るか」を説明する資料にもなる

RFP・RFI・RFQの違い

RFPと似た用語に「RFI」「RFQ」があります。混同されがちですが、使う場面が違います。

略語正式名称何を依頼するか使う場面
RFIRequest For Information(情報提供依頼)会社の実績・得意分野・体制などの情報どの会社に声をかけるか絞り込む前
RFPRequest For Proposal(提案依頼)具体的な提案と概算費用数社に絞って提案を比べたいとき
RFQRequest For Quotation(見積依頼)決まった内容に対する正式な見積もり仕様がほぼ固まり金額を確定したいとき

流れとしては「RFI(会社を知る)→ RFP(提案を比べる)→ RFQ(金額を確定する)」の順に進むのが教科書的です。ただし、これは大企業や官公庁の大規模調達を想定した枠組みで、中小企業の開発案件では3つをきっちり分ける必要はありません。多くの場合、RFP1本、あるいは後述する「簡易版のメモ」だけで十分に進みます。

RFPに盛り込む項目(テンプレート目次)

RFPに決まった書式はありませんが、最低限そろえたい項目はほぼ共通しています。次の目次をテンプレートとして使えば、抜け漏れなく書けます。

項目書く内容記入例
①背景・目的なぜ作るのか、今どういう状況か「予約を電話とノートで管理しており、二重予約が月数件発生している」
②解決したい課題何にいちばん困っているか「予約の一元管理と、確認電話の手間をなくしたい」
③欲しい機能わかる範囲で(詳細でなくてよい)「Web予約フォーム/予約一覧/自動リマインドメール」
④対象ユーザー・利用環境誰がどこで使うか「スタッフ3名がPCで、顧客はスマホで利用」
⑤予算ざっくりの上限や幅「100万円前後を想定」
⑥納期・スケジュールいつまでに使いたいか「来春の繁忙期までに稼働」
⑦前提・制約既存システムや外せない条件「今使っている会計ソフトのデータと連携したい」
⑧選定基準何を重視して会社を選ぶか「保守のしやすさと、担当者の説明のわかりやすさ重視」
⑨提出方法・期限いつまでに何を返してほしいか「◯月◯日までに提案書と概算見積もりをメールで」

全部を埋めなくても構いません。特に③欲しい機能は、思いつく範囲で箇条書きにすれば十分です。最重要は①背景・目的と②課題。ここさえ伝われば、機能は開発会社の側から「それならこういう機能が要りますね」と提案が返ってきます。逆に、目的が抜けたまま機能だけが並んでいると、開発会社は「なぜそれが必要か」を判断できず、当たり障りのない提案しか返せません。埋める順番としても、上から順に①②から手をつけるのがおすすめです。

RFPをもとに開発会社と打ち合わせるイメージ
RFPのゴールは立派な書類ではなく、「目的と課題が開発会社に正しく伝わる」こと。細かい仕様は後で一緒に決めればよい。

RFPの書き方 5ステップ

ゼロから書くときは、次の順番で進めると迷いません。所要時間は、A4で2〜4枚程度の簡易なRFPなら合計で半日〜1日が目安です。

  1. 目的を1〜2文で言い切る:「◯◯の業務を効率化したい」「◯◯をWebでできるようにしたい」。まずここを決めると、あとの項目がぶら下がっていきます。
  2. 今の困りごとを箇条書きにする:現状のやり方(Excel、紙、電話など)と、そこで起きている具体的な問題を3〜5個。
  3. ほしい機能を思いつくだけ挙げる:完璧でなくてよいので、「あったら嬉しい」を並べる。優先度(必須/あれば嬉しい)を付けられればなお良い。
  4. 予算と納期の希望を書く:幅でよいので数字を入れる。ここを空欄にすると比較しづらい提案が返ってきます。
  5. 選定基準と提出期限を添える:何を重視するか、いつまでに返してほしいかを一言。

書式はWord・Excel・スプレッドシート・スライド、なんでも構いません。読みやすければ形式は問われません。凝ったレイアウトよりも、目的と課題がはっきり伝わる素朴な箇条書きのほうが、開発会社にとってはありがたいものです。

書き方のコツ

  • 技術仕様より目的を書く:「何を解決したいか」が最重要。「どういう技術で作るか」は開発会社が提案する領域です。発注側が技術を指定しすぎると、かえって良い提案を狭めてしまいます。
  • わかる範囲でOK:欲しい機能が曖昧でも、課題が伝われば提案は返ってきます。「うまく言葉にできない部分」はそのまま「ここは相談したい」と書けば十分です。
  • 予算感を正直に書く:予算を隠すと各社バラバラの金額を出してきて比較できません。「100万円前後」と幅で伝えれば、その範囲での現実的な提案が得られます。
  • 優先順位を付ける:全機能を「必須」にすると見積もりが膨らみます。「まず何がないと困るか」を示すと、段階的な提案がもらえます。
  • 一文一義で短く書く:長い文章より、箇条書きと具体例のほうが正確に伝わります。

ありがちな失敗

RFPで提案がうまく集まらないときは、たいてい次のどれかに当てはまります。

失敗パターン何が起きるか対策
要求過多(全部盛り)見積もりが跳ね上がり、納期も延びる「必須/あれば嬉しい」で仕分けする
目的が曖昧各社バラバラの解釈で提案がズレる目的を1〜2文で言い切る
予算を書かない金額の桁がバラバラで比較不能幅でよいので上限感を書く
丸投げ・お任せ会社任せで、後から「想像と違う」課題と優先度だけは自分の言葉で書く
手段を指定しすぎ良い代替案が出てこない「何を作るか」でなく「何を解決したいか」を書く

特に多いのが**「丸投げ」と「要求過多」の両極端**です。すべてお任せにすると出来上がりが期待とズレ、逆に細かく要求を詰め込みすぎると金額と期間が膨らみます。ちょうど良いのは、「課題と優先順位は自分の言葉で示し、実現方法は開発会社に委ねる」バランスです。失敗の実例はシステム開発の失敗事例、避け方は開発で失敗しないための注意点もあわせてご覧ください。

中小企業は「簡易版」で十分

ここまで項目を挙げてきましたが、中小企業や小規模な開発では、フル装備のRFPはむしろ過剰です。分厚いRFPを作ろうとして手が止まり、発注そのものが半年遅れる——これがいちばんもったいないパターンです。

現実的には、次の3点が箇条書きになったメモ1枚あれば、開発会社との相談は十分に始められます。

  • 目的:何のために、何を作りたいか
  • 課題:今、何にいちばん困っているか
  • 予算感:いくらくらいまでなら出せるか

この「簡易版RFP」で数社に相談し、対話しながら要件を固めていく進め方のほうが、中小規模の案件では速くて確実です。細かい仕様は、良い開発会社であれば打ち合わせの中で引き出してくれます。むしろ発注準備の段階で完璧を目指さないことが、良い発注のコツです。

RFPをきちんと作る意味があるかどうかは、案件の性格で判断できます。次のような場合分けが目安です。

きちんとしたRFPが向く簡易版・相談ベースで十分
3社以上を厳密に横並び比較したい1〜2社にまず相談したい
社内の複数部署の承認が必要決裁者が身近で意思決定が速い
要件がある程度固まっている何を作るか自体を相談したい
予算規模が大きく失敗できない小〜中規模でまず試したい

発注側が最低限そろえておきたい情報

RFPを書く/書かないにかかわらず、相談前に頭の中を整理しておくと打ち合わせが早く進みます。次の質問に答えられる状態にしておけば十分です。

  • 誰のための、何を解決するシステムか
  • 今はどうやっていて、何が問題か
  • 使う人は何人で、どんな環境(PC/スマホ)か
  • いつまでに使いたいか
  • いくらくらいまで出せそうか
  • 絶対に外せない条件は何か(既存データとの連携など)

記入例:簡易版RFPのサンプル

言葉だけでは掴みにくいので、飲食店が予約管理システムを相談する場合の「簡易版RFP」を例として挙げます。実在の店舗ではなく、一般化した架空の例です。この程度の内容がA4半ページに書けていれば、複数社に相談を始められます。

背景・目的:予約を電話とノートで管理しているが、繁忙期に二重予約が月数件発生している。予約を一元管理し、確認電話の手間をなくしたい。 解決したい課題:(1)二重予約をなくす(2)予約確認の電話を減らす(3)誰でも予約状況を見られるようにする。 欲しい機能:Web予約フォーム/予約カレンダー一覧/前日の自動リマインドメール。(あれば嬉しい:来店履歴の記録) 利用環境:スタッフ3名がPCで管理、顧客はスマホから予約。 予算:100万円前後を想定。 納期:来春の繁忙期(3月)までに稼働したい。 選定基準:保守のしやすさと、説明のわかりやすさを重視。 提出:◯月◯日までに、提案書と概算見積もりをメールで。

ポイントは、技術的な指定が一切ないことです。「どう作るか」は書かず、「何に困っていて、どうなりたいか」だけを書いています。これで開発会社は十分に提案を組み立てられます。

提案を受け取ったあとの比較チェックリスト

RFPを渡して各社から提案が返ってきたら、金額だけで選ばないことが大切です。次の観点で横並びに見比べると、後悔の少ない選定ができます。

  • 課題を理解しているか:こちらの目的・課題を正しく捉えた提案になっているか
  • 見積もりの内訳があるか:総額だけでなく、何にいくらかかるかが説明されているか
  • 追加費用の条件:後から「これは別料金」と言われる範囲が明確か
  • 納期とスケジュール:希望時期に間に合うか、無理な圧縮になっていないか
  • 保守・運用:納品後のサポート体制と費用が示されているか
  • 成果物の権利:ソースコードなど成果物の権利が自社に渡るか(ベンダーロックインを避けられるか)
  • 担当者の対応:質問への回答が早く、説明がわかりやすいか

見積もりの読み解き方は見積もりの見方、避けたい会社の見分け方はこんな開発会社は危険もあわせてどうぞ。

一律料金なら「予算欄」で悩まない

RFPでいちばん書きにくいのが予算欄です。相場がわからないまま金額を書くと、高く出しすぎて足元を見られないか、逆に安く書きすぎて相手にされないか——と悩む方は少なくありません。

D-oneAppは料金が一律100万円(大規模なプロプランは一律200万円)で、追加費用なし・着手前に総額が確定します。そのため、RFPの予算欄には「一律100万円の範囲で提案してほしい」と書くだけで済みます。金額の駆け引きに神経を使う必要がなく、「何を作るか」の中身の議論に最初から集中できるのが強みです。料金の考え方はシステム開発の費用、なぜ一律100万円で作れるのかは100万円でできることで詳しく解説しています。

まとめ

RFP(提案依頼書)とは、開発会社に提案を依頼する書類で、複数社を同じ条件で比較したいときに有効です。盛り込む項目は「背景・目的/課題/欲しい機能/予算・納期/前提/選定基準」が基本ですが、完璧なものを作る必要はありません。最重要は目的と課題を自分の言葉で伝えること。細部は開発会社との対話で固めていけます。

RFI・RFP・RFQという言葉の使い分けも、大規模調達でこそ意味を持つもので、中小規模の案件では気にしすぎる必要はありません。目的・課題・予算感を書いたメモ1枚で相談を始めるほうが、多くの場合は速くて確実です。RFPがなくても相談は進みます。まずは無料相談で、あなたのやりたいことを一緒に言葉にするところから始めましょう。

よくある質問

QRFP(提案依頼書)とは何ですか?
A

開発会社に「こういうものを作ってほしい」と伝え、提案・見積もりを依頼するための書類です。目的・背景・必要な機能・予算・スケジュールなどをまとめます。RFPがあると各社が同じ前提で提案でき、相見積もりの比較がしやすくなります。

QRFPには何を書けばいいですか?
A

「①目的・背景」「②解決したい課題」「③欲しい機能(わかる範囲で)」「④予算・スケジュール」「⑤選定基準」などが基本項目です。技術的な仕様を細かく書く必要はなく、目的と課題が伝わることが大切です。

QRFPは必ず必要ですか?
A

必須ではありません。小規模な開発や、要件を相談しながら決めたい場合は、目的と課題を箇条書きにしたメモだけでも十分に相談は進みます。RFPは「複数社を同じ条件で比較したい」ときに特に有効です。

QRFPを書くのが難しいです。
A

完璧なRFPは不要です。目的・課題・ざっくりの予算を書ければ十分で、細部は開発会社との対話で固めていけます。D-oneAppでは、RFPがなくても相談から一緒に整理していきます。