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広告・制作会社の案件管理システムを作る費用は?制作進行の実情に沿って解説

公開 2026/7/26

広告・制作会社で複数の制作案件と締切を管理するチームのイメージ

「1つの案件にバナーも動画も記事もぶら下がり、それぞれ締切と修正が別々に走って、誰がどこまで進めたか分からない」——広告・制作会社の案件管理システムは、こうした制作進行の実情に合わせて、案件・制作物・締切・修正回数・外注・工数・請求までを一元管理する仕組みです。汎用の案件管理システム工数管理システムが「1案件を一列で追う」のに対し、制作会社では1案件が枝分かれし、修正が何度も往復し、外注やフリーが絡みます。この記事では、制作進行に必要な機能、修正回数・多重下請けへの対応、既製ツールと個別開発の使い分け、費用の相場、そして一律100万円で作れる範囲までを、進行漏れや赤字案件に悩む方向けに解説します。

制作・広告会社の案件管理でよくある悩み

広告代理店や制作プロダクション、Web・映像・デザインの制作会社では、案件の数え方そのものが一般的な業種と違います。1つの受注の中に複数の納品物があり、それぞれが独立して動くため、管理の難易度が跳ね上がります。現場でよく聞く悩みは、次のように整理できます。

  • 複数の締切が並走する:1案件にバナー・LP・動画・記事などがぶら下がり、納品物ごとに締切がバラバラ。全体の進捗が一目で見えず、直前に「間に合わない」が発覚する
  • 修正対応が読めない:クライアントからの修正指示が何度も往復し、当初想定した工数を超える。どの制作物が何回目の修正かを追えず、追加費用の交渉根拠も残らない
  • 外注・フリー発注が属人的:ライター・デザイナー・カメラマンへの発注が担当者の頭の中とメールにしかなく、発注漏れ・二重発注・支払予定の抜けが起きる
  • 工数と採算が締めるまで見えない:制作は人件費が原価の中心なのに、誰がどの案件に何時間使ったかが集計されず、赤字案件に気づくのは請求した後
  • 請求・売上のタイミングがばらつく:分割検収・月額運用・スポット制作が混在し、いつ・いくら請求するかの管理がExcelとメールに散らばる

これらは担当者の能力の問題ではなく、制作進行が「枝分かれ・往復・多者連携」という構造を持つために起きます。汎用の管理ツールに当てはめると無理が出るのは、この構造がそもそも噛み合わないからです。案件数が増え、同時進行が常時20〜30件を超えたあたりで、Excelとメールでの管理は限界を迎えます。

制作進行管理システムの主な機能

制作会社向けの案件管理システムは、汎用の案件管理に「制作物単位の管理」と「外注・工数・請求」を重ねた構成になります。機能は大きく6つの領域で考えると要件がまとまります。

機能領域具体的にできること
案件・進行管理案件の下に制作物(バナー・動画・記事など)をぶら下げ、制作物ごとにステータス・担当・締切を管理する
タスク・スケジュール制作物を「構成→制作→初稿→修正→校了→納品」の細かい工程に分け、工程ごとの期限と担当を割り当てる
修正・校正管理制作物ごとの修正回数・修正指示の履歴を記録し、規定回数を超えた追加修正を可視化する
外注・発注管理外注先・フリーランスへの発注、発注金額、納品予定、支払予定を案件に紐づけて管理する
工数・採算担当者が案件・制作物に使った作業時間を記録し、人件費原価と粗利(採算)を案件ごとに見える化する
請求・売上検収タイミングごとの請求額・入金予定を管理し、分割・月額・スポットが混在しても請求漏れを防ぐ

これに加えて、進行アラート(締切が近い制作物や滞留している工程を知らせる)、ファイル・素材共有(デザインデータ・原稿・素材を制作物に紐づけて保存する)、ダッシュボード(進行中の制作物数・締切超過リスク・案件別の採算)を足すと、実務で回る形になります。まずは「案件・進行管理+タスク・スケジュール」を土台にし、後から修正・外注・工数・請求を重ねるのが失敗しない順番です。

広告・制作会社で案件の下に複数の制作物と締切を紐づけて管理するイメージ
制作進行管理の要点は、案件の下に制作物をぶら下げ、それぞれの締切・修正回数・担当・外注をチームで共有し、進行漏れと赤字を早く見つけること。

修正回数・タスクの細かさ・多重下請けへの対応

制作会社の管理が汎用ツールで回らない最大の理由が、この3つの制作特有の事情です。ここへの対応こそが、業種特化のシステムを作る価値になります。

  • 修正回数の見える化:制作物ごとに「初稿→1修→2修→校了」と回数を記録し、契約で決めた修正回数(例:3回まで)を超えた分を色や警告で示す。これにより、追加修正の費用交渉を感覚ではなく履歴で行え、赤字の主因である「無償の修正地獄」を防げる
  • タスクの細かさへの対応:1つの制作物が構成・素材集め・制作・初稿・修正・校正・入稿と細かく分かれる。工程ごとに担当と期限を持たせ、どの工程で止まっているかを可視化する。粒度が粗いと「進行中」のまま実態が見えないため、制作向けは工程を細かく切れることが重要
  • 多重下請け(発注の連鎖)への対応:代理店→制作会社→外注ディレクター→フリークリエイターと発注が連鎖する。自社が受けた案件と、自社が出した発注を親子でひも付け、受注額と外注費の差(粗利)を案件単位で追えるようにする。これで「受けたはいいが外注費で利益が消えた」を事前に検知できる

汎用のプロジェクト管理システムでも工程管理はできますが、修正回数のカウントや発注の連鎖といった制作固有の項目は、標準機能に当てはめると無理が出ます。ここが独自であるほど、既製ツールより個別開発が向く分岐点になります。どこまで独自要件を作り込むかは要件定義の進め方もあわせてご覧ください。

既製ツール vs 個別開発の比較

制作進行や案件管理の既製ツール(SaaS)は多く、標準的な使い方なら既製が安く早いです。一方、制作特有の項目や連携が必要なら個別開発が生きます。両者の違いを整理します。

観点既製パッケージ(SaaS)個別開発(受託開発)
初期費用低い(無料〜数万円)数十万〜数百万円
月額人数×月額が継続的にかかる原則なし(保守費のみ)
導入スピード即日〜数日数週間〜数カ月
制作物・修正回数の管理標準機能では表現しづらい自社の数え方に完全に合わせられる
外注・多重下請けの連鎖対応が弱いことが多い受注と発注を親子で自由に設計できる
既存の会計・請求との連携制約が多い自由に設計できる

個別開発が向くのは、次のようなケースです。

  • 制作物ごとの修正回数や工程が管理の中心で、既製ツールに当てはめると入力が二度手間になる
  • 外注・フリーへの発注と、自社受注の粗利を同じ画面で追いたい
  • 制作進行と工数・採算・請求を1つにまとめ、ツールの二重管理をやめたい
  • 人数が多く、SaaSの月額(1人あたり課金)が積み上がって割高になっている

逆に、標準的なタスク管理で足りるなら、まず既製で試し、合わなければ個別開発という順番が堅実です。判断の考え方は内製と外注の比較、依頼先の見極めは良い開発会社の見分け方も参考になります。

費用相場と機能別の目安

制作会社向けの案件管理システムの費用は、管理する範囲と自動化の深さで変わります。規模別のおおよその相場は次の通りです(あくまで目安で、要件により上下します)。

規模・範囲費用の目安主な内容
小(案件・制作物+進行・締切)数十万〜100万円台案件登録・制作物のステータス管理・締切一覧・検索
中(+修正管理・外注・タスク工程)100万〜200万円修正回数の記録・外注発注/支払予定・工程別の担当と期限・進行アラート
大(+工数採算・請求・分析)200万〜400万円超工数入力と案件別原価/粗利・請求連携・権限管理・採算ダッシュボード

機能を足したときの追加目安は、修正回数・履歴管理で+20万〜50万円、外注・発注管理で+30万〜60万円、工数と案件別採算で+40万〜80万円、請求・入金の管理でさらに変動、というイメージです。費用が上下する主な要因は次の4つで、ここが膨らむほど金額は上がります。

  • 管理の粒度:案件単位か、制作物・工程単位まで細かく管理するか
  • 採算計算の深さ:時間入力だけか、単価を掛けて原価・粗利まで自動で出すか
  • 外部連携の有無:会計・請求・チャットツールなどとの連携は個別対応で費用が増える
  • 役割と権限の多さ:ディレクター・制作・経営で見える範囲を分けるほど設計が重くなる

費用の考え方そのものはシステム開発の費用相場見積もりの読み解き方、工数の見方は人月の考え方もあわせてご覧ください。

業種・シーン別の使い方

同じ「制作」でも、扱う制作物や商流によって管理の軸が変わります。代表的なシーンごとの勘所を挙げます。

  • 広告代理店:複数のクライアントと制作物を横断管理。案件ごとの粗利と、制作会社・フリーへの外注費の見える化が中心。多重下請けの連鎖を親子で追うことが重要
  • 制作プロダクション(総合):グラフィック・Web・映像が混在。制作物ごとに工程も締切も違うため、種別ごとのテンプレート工程を用意すると入力が楽になる
  • Web制作会社:構成・デザイン・実装・修正と工程が長い。修正回数の管理と、実装工数の記録による採算把握が要点。運用・保守の月額請求も絡む
  • 映像制作会社:企画・撮影・編集・修正と進み、外部スタッフ(カメラ・編集)への発注が多い。発注管理と支払予定の管理が命綱
  • デザイン事務所・少人数チーム:案件数の割に人手が少なく、修正の往復で工数が溶けやすい。修正回数の見える化で無償対応を防ぐ効果が特に大きい

いずれも、軸にする項目が「修正回数」「外注費」「工程」と業種で違うのがポイントです。ここが独自であるほど、既製ツールより個別開発が向きます。まず「自社の案件が、どんな制作物に分かれ、どんな工程を、どんな順で流れるか」を紙に書き出すと、必要な項目が自然に浮かび上がります。

導入効果とミニ事例

制作進行管理システムを入れると、進行の抜け漏れと採算の両面で効果が出ます。よくある変化は次の通りです。

  • 進行漏れの防止:締切アラートで「気づいたら過ぎていた」がなくなり、制作物ごとの遅れを事前に手当てできる
  • 赤字案件の早期発見:工数と外注費が進行中に積み上がるため、粗利が薄い案件を締める前に把握し、追加交渉や巻き取りに動ける
  • 無償修正の抑制:修正回数が履歴に残ることで、規定回数を超えた追加修正を根拠をもって費用化できる
  • 発注管理の安定:外注の発注・納品・支払予定が案件に紐づき、発注漏れや支払い忘れが減る

例:Web制作会社のケース。案件をスプレッドシート、外注はメールで管理していたため、修正が5回を超えても無償対応が常態化し、締めてみると赤字の案件が混じっていた。制作物ごとに修正回数と工数を記録する仕組みに変えたところ、規定回数超過を早く検知でき、赤字案件が減った、という形です。

例:広告代理店のケース。受注案件と外注発注が別々に管理され、案件ごとの粗利が締めるまで読めなかった。受注と発注を親子でひも付け、案件別の粗利をダッシュボードに出したところ、外注費で利益が消える案件を受注前後に把握できるようになった、という具合です。

例:映像制作会社のケース。撮影・編集の外部スタッフへの発注が担当者の頭の中にあり、支払予定の抜けや二重発注が起きていた。発注と支払予定を案件に紐づけたところ、発注漏れがなくなり経理の確認も楽になった、という形です。いずれも架空の一般化した例ですが、制作物が枝分かれし外注が絡む会社で起きがちな典型です。効果は機能の多さではなく、一番痛い困りごとにどれだけ的を絞れたかで決まります。

一律100万円で作れる範囲と選び方

D-oneAppは料金が一律100万円(大規模なプロプランは一律200万円)で、着手前に総額が確定し、追加費用はかかりません。成果物(ソースコード)の権利もお客様にお渡しします。制作進行は範囲を絞りやすいため、一律100万円の枠と相性が良い題材です。100万円の枠では、たとえば次のような構成が現実的です。

  • 案件の下に制作物をぶら下げる、進行ステータスと締切の管理
  • 制作物を工程に分けたタスク・スケジュール管理と、締切が近い制作物の通知
  • 制作物ごとの修正回数の記録と、規定回数超過の可視化
  • 外注・フリーへの発注と支払予定の案件ひも付け
  • 案件・制作物へのファイル・素材の紐づけ

逆に、工数入力から案件別の原価・粗利を自動算出する採算管理や、請求・入金の自動連携まで含めると、200万円のプロプラン側になります。「まず何を優先するか」を決めるための選び方チェックリストを用意しました。

  • いちばん痛いのは、進行漏れ/修正の無償対応/外注管理/赤字案件のどれか
  • 案件の下に何が(バナー・動画・記事など)ぶら下がり、工程はどう分かれるか
  • 修正回数を管理して費用化したいか
  • 外注・フリーへの発注と支払予定まで管理したいか
  • 工数から採算(原価・粗利)まで見たいか、まず進行管理だけで十分か
  • 既存の会計・請求・チャットと連携させたいか

このチェックリストが埋まれば、要件はほぼ固まります。埋まらない項目があるうちは、まだ作るには早い合図なので、現場に聞いて先に言葉をそろえておくと後の手戻りが減ります。作る前の整理は要件定義の進め方、依頼先選びは開発会社の選び方、開発全体の流れは発注から納品までの流れも参考になります。請求まわりを深く作りたい場合は請求管理システムを作る方法、費用を抑える考え方は一律100万円でどこまで作れるかもあわせてご覧ください。

まとめ

広告・制作会社の案件管理システムは、1案件に複数の制作物がぶら下がり、修正が往復し、外注が連鎖するという制作進行の実情に合わせて、案件・制作物・締切・修正回数・外注・工数・請求を一元管理する仕組みです。費用は「案件と進行・締切だけなら数十万〜100万円台、修正・外注・工数採算・請求まで足すと100万〜400万円超」が目安。汎用ツールで無理が出るのは、修正回数・工程の細かさ・多重下請けという制作固有の構造ゆえです。進行漏れや赤字案件に悩んだら、まず「案件・制作物+進行管理」から小さく始めるのがコツです。無料相談で「うちの制作進行、システム化するといくら?」を一緒に整理しましょう。

よくある質問

Q広告・制作会社向けの案件管理システムを作る費用はいくらぐらいですか?
A

案件一覧と進行ステータス、締切管理だけのシンプルなものなら数十万〜100万円台、修正回数の記録・外注発注・工数と採算の可視化・請求連携まで含むと100万〜300万円が目安です。要件を制作進行に絞れば一律100万円でも実用的なものが作れます。

Q汎用の案件管理ツールと制作会社向けは何が違いますか?
A

汎用ツールは1案件1ステータスで進みますが、制作会社では1案件に複数の制作物がぶら下がり、それぞれに締切と修正回数があります。さらに外注・フリーへの発注、工数と採算、多重下請けの管理が絡むため、制作進行の実情に合わせた項目と画面が必要になります。

Q修正回数や外注の管理までシステムでできますか?
A

できます。制作物ごとに修正の回数と履歴を記録し、規定回数を超えた追加修正を可視化する、外注先・フリーランスへの発注と支払予定を案件に紐づける、といった制作特有の管理が組み込めます。ここが独自であるほど既製ツールより個別開発が向きます。

Q進行管理と工数・採算はひとつのシステムでまとめられますか?
A

まとめられます。制作物ごとの進行と締切を管理しつつ、担当者が案件に使った作業時間を記録すれば、進行状況と原価・粗利を同じ画面で追えます。赤字傾向の案件を進行中に発見でき、締めた後に赤字と気づく事態を防げます。