予算・委託

システム開発の予算300万円でできること|何が作れる・100万との違い

公開 2026/7/15

システム開発の予算300万円を検討するイメージ

「システム開発の予算は300万円。この予算で何が作れる?」——300万円は、複数機能や外部連携を含む中規模のシステム・アプリが現実的に視野に入る予算帯です。100万円が「1つの業務を試す」段階だとすれば、300万円は「複数の業務を1つの仕組みでつなぎ、社外システムとも連携させる」段階に踏み込めます。

一方で、300万円という金額そのものが目的になってしまうと、本来100万〜200万円で足りたはずの開発に予算を使い切ってしまうこともあります。この記事では、300万円で作れるものの具体例、予算100万円との違い、費用の内訳、そして「300万円をかける前に確認したいこと」までを、目安の数字とチェックリスト付きで解説します。

予算300万円でできることの例

まず、300万円で現実的に作れるものを種類別に整理します。金額は「この範囲なら300万円前後で狙える」という目安で、要件次第で上下します。

種類300万円で作れるものの例
業務システム受注・在庫・請求など複数業務を1つにまとめ、会計ソフトやEC・CSVと連携する中規模の基幹寄りシステム
スマホアプリログイン・データ管理・プッシュ通知・管理画面を備えた、iOS/Android両対応の本格的な初期版
Webサービス会員登録・決済(サブスク含む)・マイページ・運営用管理画面を備えた、そのまま集客を始められるサービス
業務自動化AI-OCRで紙・PDFを読み取り、基幹システムやkintoneへ自動登録する複数工程の自動化
予約・顧客管理予約受付・自動リマインド・顧客台帳・売上集計を備えた、店舗や教室向けの一体型システム

もう少し具体的に、種類ごとに「300万円だと何が変わるか」を見ていきます。

業務システム

100万円だと「1つの業務(例:受注管理だけ)」に絞るのが基本ですが、300万円なら受注→在庫→請求のように複数業務を1本の流れでつなぐことができます。加えて、会計ソフトやEC・POSとのデータ連携、権限による画面出し分け(担当者と管理者で見えるものを変える)まで作り込めます。

スマホアプリ

100万円は「1機能を試すMVP」が目安ですが、300万円ならログイン・データ同期・プッシュ通知・課金・管理画面といった、実運用に必要な要素を一通り揃えた初期版が狙えます。iOSとAndroidの両対応も、この予算帯なら現実的です。

Webサービス・自動化

Webサービスなら会員・決済・管理画面を備えた「そのまま公開できる一本」、自動化なら複数の手作業工程をまとめて置き換える規模まで踏み込めます。100万円が「1工程の自動化」なら、300万円は「工程をまたいだ自動化」です。たとえば、届いた注文メールを自動で読み取り、基幹システムに登録し、在庫を引き当て、確認メールを返す——といった一連の流れを人手を介さずに回す、といった作り込みが視野に入ります。

予約・顧客管理システム

店舗・教室・サロン向けなら、予約受付から自動リマインド、来店履歴、売上集計までを一体化した仕組みが作れます。100万円だと「予約受付だけ」に絞ることが多いですが、300万円なら予約・顧客台帳・分析までを1つに束ね、スタッフ用の管理画面まで用意できます。予約が埋まる状況を可視化して、空き枠対策の施策まで打てるようになるイメージです。

100万円が「1業務のMVP」なら、**300万円は「複数機能・連携を含むしっかりした一本」**が目安、と覚えておくと判断しやすくなります。より広い予算帯の全体像はシステム開発の費用相場予算別でできることも参考にしてください。

300万円では難しいことの目安

逆に、300万円で「無理をすると破綻しやすい」ものも押さえておきましょう。次のような要件は、300万円だと機能を削るか、段階開発が前提になります。

  • 大人数が同時に使う大規模な基幹システム(全社の会計・人事・生産管理をまとめて刷新など)
  • 高度なAI・画像解析・独自アルゴリズムを一から開発する研究寄りの案件
  • 複数の外部システムと双方向にリアルタイム連携する複雑な統合
  • 細かな業種特化の例外処理を初回から漏れなく作り込むケース

これらを「全部入り」で狙うと、300万円では収まらず500万〜1000万円規模になりがちです。300万円で始めるなら、どこを初回に入れ、どこを次回に回すかの線引きが欠かせません。

予算100万円との違い

同じ「システムを作る」でも、100万円と300万円では作れる中身が変わります。違いは大きく「機能の量・連携の数・作り込みの深さ」の3点です。

観点100万円300万円
機能の量核となる1機能(MVP)複数機能を1本に統合
外部連携最小限(手動CSVなど)会計・EC・決済など複数連携
権限・役割単一ユーザー想定管理者/担当者など複数権限
作り込みまず試せる版例外処理・帳票まで対応
対象範囲1部署・1業務部署をまたいだ業務

100万円で「業務が回る最小の形」を作り、300万円で「例外や連携まで含めて現場に馴染む形」まで仕上げる、というイメージです。100万円でできることの詳細は100万円でできること、アプリならアプリ開発100万円も合わせてご覧ください。

システム開発の予算と機能を検討するイメージ
300万円あっても、全機能を最初から作るとは限らない。まず核を作り、効果を見てから足す方が無駄がない。

300万円の内訳(何にお金がかかるか)

300万円は、大部分が人件費(人月)です。開発は「1人が1か月働く量=1人月」で数え、単価はおおよそ60万〜100万円/人月が目安。仮に単価75万円なら、300万円で確保できるのは概算で4人月前後です。

工程ごとにどれくらいの割合を使うかの目安は、次のとおりです(案件により変動します)。

工程割合の目安主な中身
要件定義・設計20〜30%何を作るか決める、画面・データ設計
開発(実装)40〜50%実際にコードを書く中心工程
テスト15〜20%動作確認・バグ修正
導入・調整10〜15%本番反映・初期サポート

ここで大切なのは、開発(実装)に使えるのは全体の半分程度という点です。つまり「300万円=300万円ぶんの機能」ではなく、設計やテストを差し引いた分が形になります。人月の考え方は人月とは、見積りの読み方は見積書の見方で詳しく解説しています。

なお、この「設計・テストの割合」は削ってはいけない部分でもあります。安さだけを狙って設計やテストを省くと、後から不具合対応や作り直しでかえって費用がかさみます。同じ300万円でも、要件定義に時間をかけた案件のほうが、結果的に無駄なく仕上がることが多いのは、この構造のためです。見積りを比べるときは総額だけでなく、要件定義とテストにどれだけ工数を割いているかも見ておくと、後悔しにくくなります。

300万円をかける前に確認したいこと

予算があると「せっかくだから全部作りたい」となりがちですが、最初に確認したいのは**「本当に全機能が初回から必要か」**です。多機能を一度に作ると300万円でも足りず、しかも「使われない機能」まで作ってしまうリスクがあります。

着手前に、次の点を整理しておくと無駄が減ります。

  • 一番の困りごとは何か(それを解決する機能が「核」)
  • その核だけなら、いくらで作れるか
  • 後から足せる機能はどれか(初回で作らなくてよいもの)
  • 連携先は本当に必要か(当面は手動で回せないか)
  • 使う人は何人・どんな役割か(権限設計に影響)

おすすめは、まず核となる機能を100万円で作り、現場の反応を見てから足していく進め方です。これなら失敗もコストも抑えられ、実際に使ってみて初めて分かる「本当に必要な機能」にだけ追加投資できます(→まず100万円から始める理由)。多機能を一度に作って失敗する典型は開発の失敗事例でも紹介しています。

要件を絞れば100万〜200万に収まることも

D-oneAppはスタンダード一律100万円、プロ一律200万円で、追加費用なし・着手前に総額が確定・完成したソースコードの権利はお客様に渡すのが特徴です。そのため、300万円を想定していた開発でも、要件を絞れば100万〜200万円で足りることが少なくありません。

たとえば、次のような切り分けができます。

当初イメージ(300万円想定)絞った形目安
全業務を一度にシステム化一番の困りごと1つに集中100万円
多数の外部連携を最初から当面は主要連携1つ+手動運用100〜200万円
全部入りアプリを初回リリース核機能+最小の管理画面200万円

総額が最初に固定されるので、差額を広告や別の改善に回せるのも利点です。予算が最初に決まっていれば社内稟議も通しやすく、追加請求に怯える必要もありません。料金が変わらない仕組みは相場の考え方と読み比べると、違いが分かりやすいはずです。

ランニングコストと段階開発

見落としがちなのが、作った後にかかるお金です。システムやアプリは公開して終わりではなく、サーバー代・保守・機能追加などの継続費用がかかります。

  • サーバー・インフラ費:月数千円〜数万円(規模による)
  • 保守・運用:不具合対応や小さな修正
  • 機能追加:使いながら足していく分

だからこそ、初回で予算を使い切らず、段階的に育てる発想が有効です。核を作る→使う→反応を見て足す、というサイクルを回せば、ランニングと追加投資のバランスも取りやすくなります。

段階開発には、費用以外にも次のような利点があります。

  • 早く使い始められる:全部の完成を待たず、核ができた時点で現場が回り始める
  • 判断を後回しにできる:迷っている機能は「使ってから決める」ことで、要らない開発を避けられる
  • 改善が積み重なる:実際の使用データをもとに、次に足すべき機能が明確になる

初回で300万円を投じて全機能を作り、半分が使われなかった——というのは、実は珍しくない失敗パターンです。予算があるほど、あえて小さく始める判断が効いてきます。発注の全体像は発注の流れ、要件の固め方は要件定義の進め方も参考にどうぞ。

依頼先の選び方チェックリスト

300万円規模になると、依頼先選びが仕上がりを大きく左右します。着手前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 総額が着手前に確定するか(後から追加請求されないか)
  • 見積りの内訳が示されるか(工程・機能ごとの根拠があるか)
  • ソースコードの権利は誰のものか(納品後に自社で改修・乗り換えできるか)
  • 段階開発の相談に乗ってくれるか(「全部作りましょう」だけでないか)
  • 納品後の保守・追加の体制(作りっぱなしにならないか)

特に「権利」は後々効いてきます。ソースコードを受け取れないと、別会社への乗り換えができずベンダーロックインに陥ることがあります(→ベンダーロックインとは)。会社選びの全体像は開発会社の選び方にまとめています。

もう一点、300万円規模でよくあるのが「見積りが1社だけで比較できない」状態です。相見積もりを取る際は、同じ要件を各社に伝えないと金額の高い・安いが判断できません。安いだけの会社に飛びつくと、後から追加請求が重なって結局高くつくこともあります。総額が着手前に固定される契約かどうかは、必ず確認しておきたいポイントです。契約時の注意点は契約のポイントも参考になります。

例:300万円想定が150万円で足りたケース

最後に、一般化したミニ事例を紹介します(架空の例です)。

ある小売の会社が「受注・在庫・顧客管理・分析まで全部入りで300万円」を想定していました。しかし要望を整理すると、**一番の困りごとは「受注のミスと二重入力」**の1点に集約されました。

そこで初回は受注管理と在庫連動だけに絞り、150万円で構築。顧客管理と分析は「使ってみて本当に必要になったら足す」ことにしました。結果、現場で受注ミスが減ったことを確認してから、翌年に必要な機能だけを追加。最初から300万円を投じるより、使われる機能だけに無駄なく投資できたという流れです。

このように、予算ありきではなく「困りごとありき」で切り分けると、同じゴールでもコストは大きく変わります。ポイントは、「あったら便利」と「なければ困る」を分けること。前者を初回から全部載せると予算はいくらあっても足りません。後者だけに絞れば、多くのケースで100万〜200万円に収まります。

逆に、300万円をフルに使うのが正解になるのは、「複数業務が絡み合っていて、部分的に作っても効果が出ない」ような場合です。たとえば受注と在庫と発注が密につながっていて、一部だけ自動化しても二重入力が残ってしまう——そんなときは、最初からまとめて作ったほうが結局は早く元が取れます。自社がどちらのタイプかを見極めることが、予算判断の出発点になります。判断に迷う場合は、内製と外注の比較も選択肢を整理する材料になります。

まとめ

予算300万円は、複数機能・外部連携を含む中規模のシステムやアプリが作れる目安の予算帯です。ただし内訳を見ると開発に使えるのは半分程度で、全機能を一度に作ると足りないことも珍しくありません。

だからこそ、核となる機能から始め、使いながら足していく段階開発が結局は失敗もコストも抑えます。要件を絞れば100万〜200万円に収まることも多いので、無料相談で「本当に300万円必要か」を一緒に切り分けましょう。総額は着手前に確定するので、安心して比較検討できます。

よくある質問

Qシステム開発の予算300万円で何が作れますか?
A

複数機能や外部連携を含む中規模の業務システム、本格的なスマホアプリの初期版、決済や管理画面を備えたWebサービスなどが作れます。100万円が「1業務のMVP」なら、300万円は「複数機能・連携を含むしっかりした一本」の目安です。

Q予算100万円と300万円では何が違いますか?
A

作れる機能の量・外部連携の数・作り込みの深さが変わります。100万円は核となる1機能に絞ったMVP、300万円は複数機能や連携を含む中規模、という違いです。ただし要件を絞れば、300万円を想定していた開発が100万〜200万円で足りることもあります。

Q300万円をかける前に確認すべきことは?
A

「本当に全機能が最初から必要か」です。多機能を一度に作ると300万円以上かかりますが、まず核となる機能を100万円で作り、反応を見てから足す方が、失敗もコストも抑えられます。予算を使い切る前にMVPで検証するのがおすすめです。

Q300万円の予算でも一律料金は使えますか?
A

はい。D-oneAppはスタンダード一律100万円、プロ一律200万円です。300万円を想定していた開発でも、要件を絞れば100万〜200万円で収まることが多く、差額を別の投資に回せます。まずは相談で切り分けます。